日常の暮らしで楽しむ余白と不完全の美 - 児玉修治 -

兵庫県加古川市の作家 児玉修治さんの作品の取り扱いをさせていただくことになりました!無駄なものをそぎ落としたシンプルだからこそ感じる特別な存在感を放った作品たち。制作の事などお話を伺いました。

児玉修治

「ルーシー・リー先生の展覧会を見に行った際、''ニット紋''というのを目にして、ニットがあるなら、個人的にデニムが好きなので、''デニム紋''ってのはどうだろうと思い研究していたところ、''いやいやデニムよりもまずはカンヴァスでしょう!料理人にとっては器はカンヴァスなのだから''という感じでカンヴァスシリーズは生まれました。」と児玉さん。

そのお言葉どおり、カンヴァスシリーズは食べ物や飲み物が入った時に完成する一枚の絵のようになる作品です。カンヴァスのような粗布のイメージを表現する為、比較的毛の硬い豚刷毛を使用し数回に分けて塗っているそうです。

児玉修治ラウンドプレート

「僕の作品は薄いものが多いので、釉薬を塗るとすぐ飽和して薬が乗らないので、2〜3回に分けて下地を塗り、その後休ませて仕上げていく塗り方をしています。カップなどの内側は灰釉を使用しています。灰も自家製生にこだわってるんです。」と教えてくれました。手に取って使うものだからこそこだわりたい質感とフォルム。手間と労力を惜しまず丁寧に仕上げていきます。

児玉修治マグ

児玉さんの作品は、先述のイギリスで活躍したオーストリア人陶芸家 ルーシー・リー氏含む20世紀半ば(ミッドセンチュリー)のデザインからインスパイアを受けたり、日本の美の特徴でもある余白や儚いモノへの美意識がたくさん詰まっています。

「日常で使うものですが、使いやすさとか温もりやあたたかさに寄りすぎないようにしています。少し気を使ったり、ピシッとするような器が日常にあってもいいと思うんです。割れない欠けない器は容器であって〝うつわ〟ではないと思います。」そうおっしゃる児玉さんは、
日々の暮らしの中で空気が締まる感じを演出したいという思いを大切に制作されています。

 児玉修治朝顔鉢

ちょっと意識を傾けて扱う、少しの心地よい緊張感のある空間を楽しむ...。そんな時間はきっと特別なひとときとなりそうです。

児玉修治取り扱い作品

信楽の土を使用し釉薬は長石系。焼成は還元焼成で温度は少し高めに。釉薬の厚みと還元のかけ具合の調整が難しい作風。

児玉修治マグ

店主が始めて児玉さんにお会いしたのは約2年前でした。念願叶って児玉さんの作品を取り扱いさせていただけることになり、手放しで嬉しかったのと同時に児玉さんや奥様とお話しているとホッとさせてくれる雰囲気が心地よかったことを覚えています。お店を始めたばかり+コロナ渦もあって先行きが本当に不安な中、元気をいっぱいいただけました。本当にありがとうございます!


児玉さんと陶芸との出会いは、たまたま高校の進路指導室にあったパンフレットを手にし、京都の伝統工芸学校に行かれたことがきっかけとのことですが、'' 陶芸 = 全てが自由がところ'' に惹かれ今に至るそうです。窯元で培った伝統的な技術や知識、琳派や茶道などの要素をミックスした作品はたくさんの人たちを魅了してやみません。


「やりたいことは本当にいっぱいあるので、死ぬまで実験していきたいです。」と児玉さん。これからも素敵な作品 & 益々のご活躍楽しみにしてますね!


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